韓国が日本との通貨スワップ再開を懇願…今さら虫がよすぎるのではないか?

■経済危機に陥る懸念

 ただ、再開を要請する理由や背景は今回、微妙に異なってきた。5月の会合では、「日韓関係改善の象徴」としての通貨スワップ再開という提案だった。

 これに対し、今回の全経連の要請では「関係改善の側面は一切なかった」(会合出席者)。逆に通貨スワップの持つ本来の機能が必要と、強調するものばかりだったという。これは韓国経済界が自国経済に対し強い危機感、再び経済危機の陥る懸念を強めているためだ。

 韓国は、経済的な関係を強めていた中国経済の変調が明確になり、実体経済の悪化が深刻化している。これに加え、米国の利上げ方針を受け、韓国からの資本逃避が加速し、対ドルでウォンが暴落する可能性が強まっている。さらに、アベノミクスに伴う円安で韓国の輸出競争力が低下するなど、さまざまな悪材料が顕在化している。外貨準備高は9月末時点で3681億ドル(約44兆円)と、世界7位規模になったとされるが、実際に米国が利上げすれば、資金逃避は本格的なものになり、不安は尽きない。

 事実、韓国の崔●(=日の下に火)煥・経済副首相兼企画財政相は、韓国経済界の思いを反映してか、10月上旬の国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会で「多国間通貨スワップなどのセーフティーネットで金融危機を予防する必要がある」との声明を出すなど、今年2月に日本に対し、「通貨スワップ必要なし」と強硬な態度から一転した。

 経済危機の懸念が強まる中、朴槿恵政権の反日政策のため、経済界の苦悩が強まる構図が鮮明になった格好だ。

 全経連としては、11月2日に開催される予定の安倍首相と朴大統領の日韓首脳会談で、通貨スワップ再開が議題になることを切に願っているとみられる。韓国経済界が強い危機感の中で行った要請を、朴槿恵大統領がどう判断するか、注目を集めそうだ。(平尾孝)

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