安保法案与党合意 自衛隊の役割大きく前進も残る制約 武器使用に「日本ルール」

 11日に与党協議会で最終合意された安全保障関連法案は、集団的自衛権の行使容認など自衛隊の役割を大きく前進させる内容だ。だが、憲法9条をめぐる従来の政府解釈との整合性を確保することが前提だったため、自衛隊の行動を制約する日本独自の枠組みは残った。一部野党は「戦争法案」と批判を強めているが、諸外国の水準と比べれば安保法制が整備されても厳しい法的制約が課せられていることに変わりはない。

 「集団的自衛権の限定的行使の意味が米国人には分からない。過剰に期待されるのも困る…」

 最近訪米した与党協議会の自民党側出席者は11日、こう不安を吐露した。

 国際法上、集団的自衛権は密接な関係にある国が攻撃された場合に自国への攻撃とみなし、共同して反撃する権利を意味する。

 しかし、昨年7月の閣議決定では密接な国が攻撃されても即座に反撃に加わることを許していない。他国への攻撃が日本の「存立危機事態」に当たると認定された場合に限り行使できる。このような集団的自衛権の考え方は日本以外に採用している国はなく、政府内では「なんちゃって集団的自衛権だ」という自嘲の声すらある。

 個別的、集団的自衛権が行使できない状況では、自衛隊は全面的な組織戦を意味する「武力行使」をすることはできない。有事に至らない「グレーゾーン事態」などで認められるのは自らを守るためなどの「武器使用」に限られている。武力行使と武器使用は双方とも英語で「USE OF FORCE」と表現する。両者の区別は、日本でしか通用しない。

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