盗聴を利用して外務省が打った一芝居 過去の教訓は中国相手に生かせるか?:イザ!

2014.11.24 21:00

盗聴を利用して外務省が打った一芝居 過去の教訓は中国相手に生かせるか?

 「法執行機関(海上保安庁の船)の数が足りない、能力がない場合は軍が対応するが、相手側の国の軍を呼び込んでしまうという事情にもつながりかねない。難しい対応を迫られている」

 ある防衛省幹部はこう語り、小笠原諸島周辺海域への自衛艦投入が逆効果になりかねないという懸念を示す。

 中国は、対米防衛ラインの第1列島線(九州~沖縄~台湾)内の制海権を確保した上で、伊豆諸島からグアム、サイパン、パプアニューギニア付近を結ぶ第2列島線まで勢力拡大を狙う。芝居とはいえ、日本政府関係者が「自衛艦投入」を検討する会話を中国当局が傍受すれば、中国海軍が第2列島線上に艦艇を派遣するための「自国民保護」という大義名分を与えかねない。

 江渡聡徳(えと・あきのり)防衛相は、今回の中国漁船問題について、現時点での自衛隊投入は否定しつつも、「防衛省、自衛隊としては今後ともこの状況を十二分に注視したい」と繰り返している。防衛省・自衛隊が注視しているのは、単なる漁船の動きだけではなく、その背後にある中国政府の意図も含まれている。(政治部 杉本康士)