壮健な若者があっという間に…「第2波」で死者増加のスペイン風邪、新型コロナも要警戒

 だが裏を返せば、若者が発症から1週間ほどで死に至るほどスペイン風邪は重症化しやすかったともいえる。

 新型コロナと同じく、感染拡大防止のために良平さんの遺体はすぐに荼毘に付された。良平さんは村葬で盛大に送られたというが、栄誉の任務に選ばれ、晴れやかに送り出した肉親らの無念は察するに余りある。

 良平さんが亡くなった当時、美恵子さんの父はまだ1歳5カ月だったという。美恵子さんは「感冒は単なる風邪のことだと思っていたが、祖父の無念を思うと胸が張り裂けそう。100年後に、まさか同じような感染症が流行するとは思わなかった。家族で力を合わせて行くので安らかに眠ってほしい」と話した。

死者は約4倍に

 厚生労働省の前身に当たる内務省衛生局が刊行した「流行性感冒 「スペイン風邪」大流行の記録」(平凡社)によると、大正7年に1回目の流行が始まったスペイン風邪は、8年7月までに感染者約2100万人、死者は25万人に達した。

 第2波は8年10月から流行が本格化。感染者は約240万人と第1波の10分の1だったが、死者は約12万7千人。死亡率は5・29%で、第1波(1・22%)の約4倍に上った。

 東京で発行されていた新聞「時事新報」には、第2波の真っただ中の9年1月10日付に《東京でも毎日 十一、五名死ぬ 流行性感冒は之からが危険》、1月21日付に《昨年の感冒に較(くら)べて 死亡率は約三倍 注射は絶対的に有効》の見出しで、警戒を呼びかける記事が掲載されている。

 ただ、2回目の流行の方が死者が多かった理由は不明は、今もよく分かっていない。

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