紀州徳川家のコレクションの一部資料をネット上で公開 「魔王」初版楽譜も…

 世界に十数点しか残っていないバッハの初版楽譜やベートーベンの自筆楽譜…。そんなクラシック音楽ファン垂涎(すいぜん)の貴重な資料約2万点を集めた和歌山県の「南葵(なんき)音楽文庫」について、県が3月末にも一部資料の画像をインターネット上で公開する。紀州徳川家第16代当主、徳川頼貞(よりさだ)(1892~1954年)が私財を投じて収集した貴重なコレクションで、県の担当者は「郷土の宝を広く知ってもらい、西洋音楽の普及に努めた頼貞公の功績を再評価するきっかけになれば」と話す。(前川康二)

 明治維新後も富豪として存在感を示した紀州徳川家。頼貞は幼少時から西洋音楽に魅了され、「音楽の殿様」と呼ばれるほど造詣(ぞうけい)が深かった。21歳で英ケンブリッジ大に留学。帰国後の大正7年には、日本初の音楽専用ホールを建設した。

 その後も海外を飛び回り、フランスの作曲家サン・サーンスら名だたる音楽家と交流。貴重な楽譜や音楽書などの収集にも私費を惜しみなく投じた。

 南葵音楽文庫は9年、父・頼倫(よりみち)の私設図書館「南葵文庫」の音楽部門として閲覧が開始され、その後も名を変えながら音楽関連の研究や出版など西洋音楽の普及に一役買った。

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