「こんなに被害が大きいとは…」 果樹を全滅させる外来カミキリの恐怖

 ウメやモモの一大産地として知られる和歌山県で、果樹を食い荒らす特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の被害が心配されている。繁殖力が高く、農薬も効果が薄い新しい害虫で、近年は全国で被害が報告されている。和歌山では昨年11月に初めて痕跡を確認。クビアカツヤカミキリは春以降、活動が本格化するため県や農家は対策を急ぐ。(前川康二)

 「こんなに被害が大きいとは」「(果樹の)根から抜くしかないのか…」

 「フルーツ王国」として知られる和歌山県かつらぎ町で、県伊都振興局が1月16、17両日、生産者を対象に開いたクビアカツヤカミキリの対策研修会。被害実態が報告されると、出席した農家からは次々と不安の声が上がった。

 今のところ外来のクビアカツヤカミキリの駆除に使える登録農薬は少なく、たとえ使っても効果は薄いという。スモモ農家の男性(63)は「農薬が使えないのが厳しい。耕作放棄地などから飛んでくると防ぎようがない」。別のモモ農家の男性(79)は「木を植え替えたら5~6年は(実が)売り物にならない。被害が広がれば廃園するしかない」と深刻な表情。県の担当者は「農園を見回り、被害があれば、すぐに連絡を」と呼びかけた。

各地で被害

 クビアカツヤカミキリは成虫で3~4センチ。体全体は光沢のある黒色で、首のように見える胸部が赤い。果樹の幹や樹皮の割れ目に産卵し、孵化(ふか)した幼虫が寄生して内部を食い荒らし、1~3年かけて成虫化してからはい出す。成虫は春から夏にかけて飛び回り、卵を産み付ける。

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