金持ちほど長生きするのは本当か? 医療でも進む格差社会

 国民皆保険で、誰もが同じような医療を受けられる日本と欧米では違うという見方もできます。しかし、日本ではこのようなリアルな調査研究がないだけで、欧米とそう変わらないと考えます。なぜなら、米国の調査研究では、医療保険との関連性がほとんどないとされるからです。

 米国ではオバマケアができましたが、いまだに無保険者が数千万人います。この人たちは貧しくて病院に行っても命に関わる緊急性がないと医療を受けられません。

 しかし、調査研究では、平均寿命の差は保険の有無による医療格差より、「運動」「肥満」「食事」といった健康行動と大きく関連していることが判明したのです。

健康への投資金が違う

 確かにおカネの多寡で医療の内容は変わります。最新の遺伝子治療などは、潤沢なおカネがないと受けられません。しかし、医療とは、病気になってから行われるもので、それ以前の体の状態には関わっていません。

 人間の死因のほとんどが、生活習慣病に由来します。つまり、何十年もかけて蓄積された健康に対する価値観、生活習慣が、富裕層と貧困層では違うのです。お金持ちほど、健康に投資します。ジャンクフードは食べず、オーガニック食にこだわり、ジム通いなどで運動もよくします。

 これらのことが、長生きに大きく影響します。がんなど病気の早期発見・早期治療は大切ですが、寿命を延ばすことにはなりません。寿命を延ばすには、病気になる以前に手を打っておかなければならないのです。

 ■富家孝(ふけ・たかし) 1972年東京慈恵会医科大学卒業。病院経営の後、「ラ・クイリマ」代表取締役。早大講師、日本女子体育大助教授などを歴任、新日本プロレスリングドクター、医療コンサルタントを務める。『ブラック病院』(イースト・プレス)など著書計67冊。

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