金持ちほど長生きするのは本当か? 医療でも進む格差社会

 【続々・長生きは本当に幸せか】

 医療においても格差社会が進んでいます。かつて私は『「死に方」格差社会』(SB新書)という本を出しましたが、そこでは、医療の内容によって死に方に差がつくということを主に述べました。しかし、「死」という言葉すら忌み嫌う日本では、このような事実は受け入れられません。まして、「貧乏人は早死にし、金持ちほど長生きする」という事実は、反発を招くだけです。ただし、欧米は違います。この事実を裏付ける研究調査が多く発表されています。

欧米では寿命に10年差も

 たとえば、今年、米国会計検査院が発表した調査は、米国の多くのメディアで紹介されました。主なポイントは、「1991年に50代だった裕福なアメリカ人の4分の3以上が、23年経ったいまもまだ生きている。比較して、所得分布で底辺に当たる下位20%にいた貧しい人たちのうち、いまも生きているのは半数以下」というものです。これを、民主党の大統領選候補の1人、バーニー・サンダース議員は問題視し、「この許しがたい収入や富の格差に終止符を打たなければならない」と主張しました。

 2016年には、ハーバード大学の研究チームの研究調査が、米国医師会誌に掲載されました。それによると、「40歳の平均余命を年収の上位・下位各々1%で比較すると、男性で15年、女性で10年も差がある」。

 また、イーストテネシー州立大学の研究グループが発表した研究調査では、米国では「所得最低の州」に住む男性の平均寿命は69・8歳で、「所得最高の州」に住む男性の平均寿命は79・3歳と、その差が約10年も。

 英国でも同様の発表があります。インペリアルカレッジの研究チームによると、16年に、最も貧しい層の女性の平均寿命は78・8歳で男性は74・0歳。これに対して、最も裕福な層の女性の平均寿命は86・7歳、男性は83・8歳。女性で8・9歳、男性で9・8歳も開きがあるのです。

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