吉野彰さん「舞踏会は憂鬱」「家族に感謝」 一夜明けインタビュー詳報

 リチウムイオン電池の開発でノーベル化学賞に輝いた旭化成名誉フェローの吉野彰さん(71)は、受賞決定から一夜明けた10日午前、東京都内のホテルで産経新聞の取材に応じた。一問一答は以下の通り。

     ◇

 --昨夜は家族と離れホテルに一人で宿泊と聞いた

 「受賞決定後はばたばたと忙しかったので、午前1時半ぐらいにバタンキューで寝た。ぐっすり眠れた」

 --一夜明けて、どんな気分か

 「部屋に新聞の朝刊が届いていて、各社とも1面で取り上げられていた。やっぱりそうなんだ、受賞したんだという実感を、やっと感じた」

 --昨夜は祝杯は

 「部屋にミニバーがあったので、寝る前だから梅酒をぐいっと飲んで寝た。格別の味わいだった」

 --家族と早く会いたいのでは

 「こっちに向かっているようで、昼前には会えると思う」

 --どんな気持ちを伝えたいか

 「候補に上がっているという話は家族も当然聞いていたが、まさか本当に受賞するとはたぶん思っていなかったはずだ。だから、どうだ、見たかと言ってやりたい。そして、感謝も伝えたい」

 --家族はどう支えてくれたか

 「こういう研究をやっていると、夜帰るのが遅くなりがちだ。それを文句も言わずに支えてくれたことがありがたかった」

 --12月にスウェーデンのストックホルムで授賞式が行われる

 「とても楽しみにしている。ただ、式典期間の1週間で、けっこう多くのことをやらなくてはいけないそうなので、いろいろな方にアドバイスを受けて準備をしようと思っている」

 --受賞記念講演もある

 「リチウムイオン電池の開発経緯や、モバイルIT社会を作り上げたこと、さらにこれからは環境問題に取り組んでいくことなどを話すのが楽しみ。技術を踏まえながら、一般の人に分かりやすく、受賞理由を裏付けるような話をしてきたい」

 --どんな衣装で行くか

 「和服はもともと似合わないので、洋装のタキシードで臨むつもりだ」

 --舞踏会もある

 「うーん。憂鬱。舞踏会は憂鬱だ。踊りは全くやったことがない。経験者に聞いてみようと思っている」

 --受賞が決定して、いま一番やりたいことは

 「多くの方からお祝いのメールをいただいている。だが忙しくて全く見られていないので『ありがとうございました』という一報だけでも早く入れたい」

 --改めて、長い研究生活を振り返っての感慨は

 「非常に名誉ある賞をいただいた。特に感じているのは、私はインダストリー(産業)の人間で、産業人として賞をいただいたことを、ぜひ強調したい。ノーベル賞の受賞時点で現役の産業人というのは、おそらく日本では田中耕一さんに続いて2人目だと思う」

 --家族以外で喜びを分かち合いたい人は

 「リチウムイオン電池の開発の中で、部下も含め、一生懸命協力してくれた人たちに、早く報告して感謝を伝えたい」

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