琵琶湖プラごみ対策へ 滋賀県が調査に乗り出す

 海の生態系に大きな影響を及ぼすとして世界的に問題となっている微少なプラスチック片「マイクロプラスチック」。ペットボトルなどのプラスチックごみが主要な発生源のひとつとされ、近年、海だけでなく河川や湖でも確認されている。このため滋賀県は4月以降、琵琶湖岸のプラスチックごみの実態調査に乗り出す。固有種を含む多くの生き物が生息し、京阪神など淀川水系の水源でもある琵琶湖の保全へ、一刻も早い対策が求められている。(川瀬充久)

■漂流ごみの約3割

 琵琶湖南部、琵琶湖大橋東岸南側の赤野井湾(滋賀県守山市)一帯。湖岸を歩くと、ペットボトルやレジ袋、レジャーシートなどのごみがあちこちに打ち寄せられていた。

 釣りや湖水浴、バーベキューなどの多くのレジャー客が訪れる琵琶湖では、こうしたごみの漂着が後を絶たない。滋賀県環境政策課が行った調査によると、湖岸に漂着するごみの約3割がペットボトルなどのプラスチックごみだという。

 これらのプラスチックごみは、紫外線や波にさらされることで劣化し、細かく砕ける。直径5ミリ以下のプラスチック片はマイクロプラスチックと呼ばれる。

 飲み込んだ魚などが死ぬなど生態系への影響が懸念されているほか、発がん性物質などの有害物質を吸着する性質から、食物連鎖の中で毒性が濃縮される可能性も指摘されている。

■閉鎖環境への懸念

 近年、海洋でのマイクロプラスチックが世界的な問題となり、政府も使い捨てプラスチック排出量の削減を打ち出しているが、海だけでなく、河川や湖でも同様の問題が起きているとの研究結果が出ている。

 京都大の研究グループは平成28年、琵琶湖中のマイクロプラスチックについての調査結果を発表した。

 表層水1立方メートルあたり平均0・35個のマイクロプラスチックが見つかったほか、湖底では乾燥した泥10グラム当たり平均4・6個が含まれていたという。

 また、プラスチックの表面は穴が多く開いており、化学物質を吸着する性質がある。発がん性が疑われる物質の付着が確認されたケースもある。

 現在、マイクロプラスチックの琵琶湖の生態系への影響は明らかにはなっていないが、湖という閉鎖された環境だけに影響を懸念する声も上がっている。

■対策の有効性測る

 こうした研究結果やマイクロプラスチック対策の世界的な広がりを受け、県は4月以降、赤野井湾でプラスチックごみの実態把握を行う。

 市民グループや市が回収したごみを種類別に分別し、どんな種類のごみがどこで発生したのかを分析。プラスチックごみの抑制につなげるのが狙いで、31年度一般会計当初予算案に調査費約200万円を盛り込んだ。

 県環境政策課は「調査を通じ、レジ袋の有料化などこれまでに行ってきた対策が有効かどうかも明らかになる。結果をもとに、ライフスタイルの見直しなども含めたプラごみの減量の普及啓発につなげたい」としている。

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