阪神大震災24年 視覚障害者支援へシステム開発 

 災害弱者の視覚障害者を支援しようと、阪神大震災を経験した神戸市の企業やNPO法人が、避難所内のさまざまな情報を自動音声で案内するシステムの開発を進めている。視覚障害者は震災当時、避難所で次々に紙で張り出される救援物資などの情報を把握できない苦労を経験。24年を経た今も支援体制は不十分なままで、障害者らはシステム普及に期待している。(中井芳野)

 「誰もが生きるのに精いっぱい。自ら助けを求めることはできなかった」。約30年前に遺伝性眼病「網膜色素変性症」で全盲となった神戸市須磨区のマッサージ師、南実さん(71)は震災当時を振り返る。

 南さんは自宅アパートが半壊したが避難所に向かわず、アパートにとどまった。避難所で一時生活していた視覚障害者3人も南さんのアパートに身を寄せた。3人からは「給水や炊き出しの情報も掲示板に張り出されるだけで不安だった」「用を足しても処理を誰かに頼まざるを得ない」といった苦労を耳にした。

 南さんは「目からの情報を遮断された状態で災害に直面する恐怖は言葉で言い表せない。誰の助けも借りず、避難所で生活するのは無理だ」と訴える。

 阪神大震災では長引く避難所生活で関連死が相次ぎ、災害弱者に対する避難所の不十分な支援体制が指摘された。以降、バリアフリー設備を整えた「福祉避難所」が全国に設置されたものの、平成23年の東日本大震災でも、視覚障害者のトイレ利用や救援物資の情報把握が課題にあがった。28年の熊本地震では、多くの福祉避難所が機能しなかった問題も明らかになった。

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