建設工事進む「八ツ場ダム」 カスリーン台風から70年、まちの観光資源に

【年の瀬記者ノート】

 関東の耶馬溪ともいわれる「吾妻渓谷」のヤマザクラが満開を迎えた春遅いころ、群馬県長野原町で建設が進む八ツ場ダムを訪ねた。地元の新たな観光資源にしようと、4月から始まった八ツ場観光プロジェクト「やんばツアーズ」に参加するためだ。

 ガイド役の「やんばコンシェルジュ」の女性から説明を聞きながら、ダムの本体工事を見学した。吾妻川のダム右岸の高台から見下ろすと、谷底には重量30トンの巨大ダンプが動き回り、その脇で大勢の作業員が働いていた。工事は450人の作業員が24時間体制で行い、高速施行技術の「いだてん」工法でダム本体のコンクリートを打っていた。

 首都圏で唯一建設中のダム建設現場が見られるとあって、やんばツアーズは盛況だった。ダムの左岸に作られた「八ツ場見放台」でも多くの観光客が、工事の様子を一目見ようと訪れていた。

 9月には、ダム本体に設置する「常用洪水吐(じょうようこうずいばけ)」の内部の装置で長さ22・5メートル高さ10メートル、重さ350トンという巨大な放流管を、高さ40メートルの本体設置部分に平行移動させる作業があった。

 小型のローラーに乗せた放流管を小型のジャッキ2台を使い、傾きや蛇行のないよう慎重に確認しながら、作業員らは約3時間かけて37メートルを無事に移動させた。「地震が今起きたら全てがパーだ」。現場の責任者のつぶやきが耳に残った。

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