曹洞宗が「慎重判断」求める 苫駒大の無償移管で文科相に上申書、保護者からは不安の声

 学校法人駒澤大学が傘下の苫小牧駒澤大学(苫駒大)を学校法人京都育英館に無償で移管譲渡する計画をめぐり、駒澤大学の設立母体に当たる曹洞宗が「カリキュラムの同一性が保証されていない」などとして大学設置者の変更申請について慎重な判断を求める上申書を文部科学相などに提出していたことが10日、宗門関係者への取材で分かった。大学設置・学校法人審議会(設置審)の認可答申が同日、公表されたが、保護者からは不安の声が上がる。

 産経新聞は、京都育英館を設立した学校法人育英館について中国との関係の深さを指摘し、同大が“中国化”するとの懸念を報じてきた。今後、認可が最終決定すれば、苫駒大の経営権や15ヘクタールに及ぶ敷地などは京都育英館に譲渡される。

 また、同大仏教専修科は卒業時に曹洞宗の寺院の住職資格が得られるが「移管されれば住職の資格が取れなくなる」として、学生らが認可差し止めを求める訴訟などを起こしている。

 曹洞宗は10月16日付上申書で、苫駒大仏教専修科の名称を残しても「曹洞宗の教師養成機関と認めることは困難」と指摘。カリキュラムの同一性が保証されておらず、卒業生に従前と同じ取り扱いを承認することは難しいとしている。

 11月7日付上申書では、駒澤大学側から再協議の申し出や質問状への回答もなく、仏教専修科の問題に「解決のめどさえ立っていない」とし、設置者変更申請に関して、「より一層慎重な判断」を求めていた。

 一方、設置審は認可を答申。長男が2年生に在籍する成沢広仁さん(58)は「覚悟はしていたが、子供たちは不安を感じている。学生をどう保護するのか、きちんと説明してほしい」と話した。

 曹洞宗宗務庁は「学生のことを第一に考えて対応していきたいが、今後のことについてコメントできることはない」としている。

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