ノーベル賞 文学賞は日系英国人のカズオ・イシグロ氏に

 スウェーデン王立科学アカデミーは5日、2017年のノーベル文学賞を、英国籍で長崎県生まれの作家、カズオ・イシグロ氏(62)に授与すると発表した。「わたしを離さないで」や「日の名残り」などの著書で知られる。「日の名残り」で英国最高の文学賞ブッカー賞を受賞。多くの作品が映画化や舞台化されている。

【プロフィル】カズオ・イシグロ氏

 1954年11月8日、長崎市生まれ。

 60年に両親と渡英。ケント大、イースト・アングリア大大学院で学ぶ。

 81年に短編小説で作家デビュー。82年に戦後の長崎を舞台にした小説「遠い山なみの光」を発表し脚光を浴びる。89年の「日の名残り」で英ブッカー賞を受賞、作品は映画化された。

 他に、上海租界を舞台にした「わたしたちが孤児だったころ」(00年)など。「わたしを離さないで」(05年)も映画になったほか、日本ではテレビドラマも制作された。(共同)

 ■文芸評論家の市川真人さんの話 「人の感情を丁寧に描く世界トップレベルの作家であるイシグロさんの受賞は、すばらしいニュースだ。イシグロさんは、数年前から候補と言われていた。代表作の『わたしを離さないで』や最新作の『忘れられた巨人』など、彼の作風はとても多様で、非常に懐が深く、多くのジャンルに渡りさまざまな時代が描かれる。しかし、共通する愛情というテーマは、非常にしっかりしている。わかりやすく感動させるのではなく、長い話を読み終えた後に登場人物の心情が強く残る。日本生まれだが、日本との関連は、むしろ感じさせない。日本と地続きであることを期待して読み始めると、全く異なる風景が広がり、日本を感じさせない想像力が独自にあることが面白い。(ノーベル賞受賞により)世界を代表する文学として読まれるのは、非常にうれしいことだ」

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