イケメンブラジル人は“ニセ戦場カメラマン” 世界の大手メディアがだまされた!

 その男性が手にしているカメラをよく見ると、シャッターボタンがカメラのボディー左側にあるのが分かる。カメラ好きならもうお気付きかもしれないが、これは普通なら考えにくいことだ。アロノビッチ氏は、「なぜなら、今日、全てのカメラでシャッターボタンはカメラのボディーの右側についているからだ。この写真はそうではない」と指摘する。

 つまり、マルティンスは「写真を左右に180度反転」させていたことが判明したのである。さらなる検証で、マルティンスは、反転した上でフォトショップ(写真加工ソフト)でバレないようにさらに加工して自分が撮影したことにしていた。他の写真を見ても、全て手口は同じだったという。

 こうした検証が行われているのを察知したマルティンスは、“写真家仲間”になっていた知人にメッセージを残し、SNSのアカウントなどを全て削除し、姿を消した。そしてマルティンスの存在が虚構だったことが判明するのである。

 現在までに判明していることは、マルティンスが掲載していたイケメンのプロフィール写真は、英国人ブロガーでサーファーのマックス・ヘップワース=ポーベイ(32)という男だったこと。ヘップワース=ポーベイ氏は「友人から最初に写真を見せられた時は、誰かが俺をおちょくってるジョークだと思ったんだけど…俺の写真を使うとは驚きさ」と英メディアの取材に答えている。

 またマルティンスが盗んで手を加えていた元の写真の出元も判明している。写真は全て、実在するトルコ在住の米国人フォトジャーナリスト、ダニエル・C・ブリット氏の撮影したものだった。マルティンスはブリットの写真をダウンロードして、写真を反転させるなど手を加えて、無料でメディアに提供した。これまでに関わった全てのメディアが、直ちに彼の写真の削除に追われたことは言うまでもない。

 この一連の顛末(てんまつ)を見ると、ある大きな疑問が湧く。プロのフォトエディターたちが、マルティンスのうそになぜ全く気付かなかったのか、だ。

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