イケメンブラジル人は“ニセ戦場カメラマン” 世界の大手メディアがだまされた!

 戦場での経験についても、こう語っていた。「一度、火炎瓶が直撃した少年を助けるため、カメラを捨て置いて、戦闘地域から外に出たこともある」「最初の戦闘地取材だった(シリアの)アレッポで、銃で撃たれたこともある」

 そしてマルティンスの写真は通信社や大手新聞社、雑誌社などで取り上げられて、取材を受けるほど注目されるようになった。Instagramのアカウントは13万人近くになり、さらにネット上で知り合った何人もの女性とネット上だけで「デート」をしていたことも分かっている。繰り返しになるが、彼は名前すらうそだった。

他人が撮影した写真を加工

 ただメディアが、マルティンスについて「怪しい」とざわつき始めるのにはそう時間はかからなかった。実際にだまされたBBC(ブラジル版)の記者も調査に動き出すなど、メディア関係者の間で彼のことが話題になりつつあった。

 マルティンスの写真に早い段階で矛盾点などを発見したのは、同じくブラジル人フォトグラファーのイグナシオ・アロノビッチ氏だった。著者がサンパウロに暮らすアロノビッチ氏に接触すると、彼は日本からの取材に「この問題がここまで大きくなっていることにびっくりだ」と驚きを隠さなかった。

アロノビッチ氏が検証した写真

アロノビッチ氏が検証した写真

 アロノビッチ氏はメディア関係者の間でマルティンスがうわさになっているのを知って、実際の写真を検証したという。アロノビッチ氏はその際に、決定的な矛盾を見つけたとし、著者にある写真を示した。マルティンスが実際に撮影したことになっているそのモノクロの写真は、何人もの男が負傷した男性をストレッチャーで慌てて運ぶ写真なのだが、それを取り囲む群衆の中に、カメラを手にして立つ男性が右側に写っている。

 そのカメラを手にした男性を注目して見ると、矛盾がある。

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