高エネルギー加速器「スーパーKEKB」に測定器が設置、再びノーベル賞狙う 11月から宇宙誕生の謎探る

 【クローズアップ科学】

 宇宙誕生の謎や暗黒物質の正体を探る高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)の加速器施設「スーパーKEKB」に4月、高性能の「ベル2測定器」が取り付けられた。従来の施設「KEKB」は2008年の小林誠、益川敏英両氏のノーベル物理学賞受賞に貢献している。関係者は今年11月からの観測で、再度ノーベル賞を取りたいと意気込む。柳の下に2匹目のどじょうはいるのか-。(原田成樹)

 ■消えた反物質の謎

 1999~2010年にKEKBで行われたベル実験では、現在の宇宙の成り立ちを説明するに当たって不可欠な「CP対称の破れ」が起きる理由を予言した小林・益川理論を裏付けた。

 物質は原子より小さい粒子が集まってできており、最小単位を素粒子と呼ぶ。宇宙の始まりであるビッグバンは無から生まれ、最初は粒子と、電荷が正負反対の反粒子が同量できたとされるが、現在は反粒子は消滅し、宇宙は粒子でできた物質でほぼ占められている。こうなるには、粒子と反粒子で崩壊に時間差があることが必要だ。小林・益川理論は、陽子や中性子を作る粒子であるクォークが3世代、計6種類あればCP対称性が破れる-つまり粒子と反粒子で崩壊までの時間差が生まれることを示した。

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