なんでも鑑定団“国宝級茶碗”騒動おさまらず 専門家ら論争、真贋の行方は…

 所有者の男性は鑑定結果に「科学的な根拠が持てて納得できた」と述べたが、魚島教授は取材に「あくまでも発色元素が検出されなかったというだけで、分析結果は茶碗の評価の真贋(しんがん)を判断するものではない」とも強調した。

 しかし、この分析結果に長江さんは真っ向から異を唱えた。

 長江さんは、魚島教授の分析結果を見た上で、茶碗に塗られている釉薬の発色元素を詳しく分析するためには、分析装置から発する蛍光X線の入射角度が適切ではなかった可能性があると指摘。X線の入射角度によっては発色元素が検出される余地があるとしている。

 釉薬は1種類か複数か

 さらに長江さんは、魚島教授の分析結果で、茶碗の青、赤、白、緑の色がついた部分からマンガンが検出されているが、大部分を占める黒い部分からは検出されていない点に着目した。

 長江さんによると、南宋時代に中国・福建省の窯で製造された茶碗であれば、使われた釉薬にはマンガンが含まれている。一つの茶碗でマンガンが検出される部分とされない部分があるということは、茶碗には異なる釉薬が複数使われている可能性があるとした。

 長江さんと他の研究者らは以前、藤田美術館の曜変天目茶碗を研究し、釉薬が1種類しか使われていないことを確認している。長江さんはこのことから、番組の茶碗について「南宋時代につくられた茶碗ではない可能性が高い」と強く訴えているのだ。

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