他人の服に残る柔軟剤は「毒ガスの苦しみ」 理解されない化学物質過敏症の患者

 汗の臭い対策などとして強い芳香や消臭効果のある洗剤や柔軟剤などの需要が高まる陰で、苦しんでいる人たちがいる。「化学物質過敏症(CS)」の患者たちだ。他人の衣服に残る柔軟剤などの化学物質が、めまいや頭痛などを引き起こすため、飲食店に入ることもためらわれ、会社や学校に行くのが困難になるケースもある。CSは暮らしの中にある化学物質によって発症する身近な疾病にもかかわらず認知度が低く、患者は周囲の無理解にも苦しんでいる。(藤井沙織)

 「毒ガス」のよう

 「レストランで匂いの強い人がいると食事ができない」「宅配の人の制服の匂いがつらくて…荷物にも移るから、洗剤を変えてほしいとお願いした」

 大阪市中央区のクリニック「ふくずみアレルギー科」で、治療のための勉強や情報交換を目的に、毎月第2火曜の午後2時から行われる「CS教室」。先月上旬には7人が参加し意見交換した。

 同クリニックの吹角(ふくずみ)●(=隆の生の上に一)之院長は全国で数少ないCS専門医で、北海道から沖縄まで全国各地から患者が訪れる。近年は柔軟剤などに悩まされる患者が増え、「おおげさと思われがちだが、患者にとっては毒ガスのように苦しい」と訴える。

 身近な発症原因

 CSは、平成21年に厚生労働省によってレセプト(診療報酬明細書)に記載できる病名リストに登録された。

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