東日本大震災6年 福島産のモモ輸出、原発事故前上回る 地道な発信結実 県産品の信頼回復に…

 原発事故で福島の農業を取り巻く環境は一変した。県産の桃を代表するブランド「あかつき」の価格が、震災前の5キロ2千円から7分の1近い300円まで下落したこともあった。

 原発事故後は、桃の木の表面に付着した放射性物質を1本当たり10分ほどかけて丁寧に洗い流した。一時は仕事のやりがいを失い、「まるで夢の中にいるような感じでした」という。

 だが、復活を信じて上を向こうと、すぐに気持ちを切り替えた。「これ以上ひどくなることはない。後は上がるだけだ」。地道な努力が実り、事故の翌年からは放射性物質がほとんど検出されなくなった。

 それでも、安全性には特に気を使った。放射性物質が果物に付かないようにするため、収穫の際、カゴの下にビニールシートを敷いた。木の根元に放射性物質に有効とされる肥料をまいたこともある。

 放射性物質の濃度検査は今も続けられている。「消費者に安全だと思ってもらえるのなら、続けた方がいい」。手間はかかるが、仕方がないと受け入れる。大手百貨店から「福島産がほしい」と声を掛けてもらえるようになった。

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