「日本を分煙先進国に」 受動喫煙防止策めぐり飲食業界が決議

 2020年東京五輪・パラリンピックに向けて国が進める受動喫煙防止策をめぐり、外食産業の団体などは12日、東京都内で集会を開き、原則として屋内を禁煙とする国の素案(叩き台)の緩和を訴えた。

 集会に参加したのは全国生活衛生同業組合中央会、全国飲食業生活衛生同業組合連合会、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本フードサービス協会、大阪外食産業協会の5団体。およそ500人が集まり、「サービス業に対し、一律に原則建物内禁煙を課すことなく、これまで取り組んできた業界の自主的な取り組みについて、一層の理解と支援と賛同を求める!」と決議した。

 決議は、飲食店などのサービス業施設と、官公庁などの公共性の高い施設を同じ次元で規制するのはふさわしくないなどと主張。分煙施策の継続的な強化で受動喫煙防止に努めたいと、理解を求めた。

 厚生労働省が示した素案(叩き台)は、飲食店などが喫煙室を設けることを認めているが、小規模の食堂、喫茶店、バーなどは、スペースやコストの点で店内に喫煙室を設けることが難しいケースが多い。店内禁煙に踏み切った場合、経営に影響が出るのではないかとの不安を抱く事業者は少なくない。

 全国生活衛生同業組合中央会の大森利夫理事長は、「完全禁煙は無理ではないか」と述べたうえで、「日本人の知恵と工夫で『分煙先進国ジャパン』を目指したい」と表明した。

 日本フードサービス協会の菊地唯夫会長は「分煙は店舗がお客様の満足度を上げるために進めてきた。規制強化ではなく自立的に(分煙の)流れを作っていくのが日本に必要なアプローチではないか」と訴えた。

 また、石破茂・前地方創生担当相は、厚労省案が参考のひとつにした韓国では、全面禁煙を進めた結果、個人事業者が激減した例を紹介した。

 厚労省は日本の受動喫煙対策が世界保健機関(WHO)の基準で 「最低レベル」(2014年末時点)であることを受け、東京五輪・パラリンピックに向け、罰則が付いた受動喫煙防止の法案づくりを進めている。昨年に2度、関係する団体からヒアリングを実施した。医療系団体が屋内禁煙の徹底を求め、喫煙室の設置を認めるのは手ぬるいと強く指摘した一方、外食系の団体は厚労省案の規制は実情にそぐわないと主張している。京都や宮城など14府県議会で、一律の規制に配慮を求める意見書などが可決されている。

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