ノーベル賞、ニホニウム、もんじゅ、ひとみ…快挙と挫折、歴史に刻む

 3年連続でノーベル賞に輝き、新元素が周期表に記載されるなど日本の快挙が相次ぐ一方、挫折もあった。歴史の節目となる出来事が続いた2016年の科学分野を振り返る。

 ■「もんじゅ」廃炉決定

 日本原子力研究開発機構の高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、政府は12月21日に開いた関係閣僚会議で廃炉を正式に決定した。後継として、より実用化に近い高速炉の実証炉の開発に着手する。核燃料サイクルは今後も維持するが、政策の大きな転換となった。

 高速増殖炉は使った以上の燃料を生み出すことができ、もんじゅは資源の少ない日本にとって「夢の原子炉」と期待されてきた。しかし事故や安全管理の不備が相次ぎ、100%出力の本格運転をしないまま、30年かけて解体されることになった。

 これまでに投じた税金は1兆円を超える。所管する松野博一文部科学相は会見で「責任についての言及は控えたい。100%出力に至らなかったことは反省し、その過程で得た知見を将来的な高速炉研究につなげたい」と述べた。

 ■大隅さんにノーベル賞

 東京工業大の大隅良典栄誉教授が12月10日、今年のノーベル医学・生理学賞を受賞。細胞が自分自身のタンパク質を食べてリサイクルする「オートファジー」(自食作用)の仕組みを解明したことが評価された。日本人のノーベル賞受賞は3年連続となった。

 ノーベル賞は複数の研究者が共同で受賞することが多いが、大隅さんは栄えある単独での受賞。この学問分野を1人で開拓し、貢献度がずば抜けて大きいためだ。がんなど多くの病気の治療研究に新たな手掛かりをもたらした。

 顕微鏡で毎日、酵母を観察する地道な姿勢と、生命に対する純粋な好奇心が研究を支えた。賞金は若手研究者を支援する基金設立に使うという。穏やかで実直な人柄も印象に残った。

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