ノーベル賞授賞式 大隅さんに授与へ 研究仲間ともに祝う

 【ストックホルム=岡部伸】2016年のノーベル賞の授賞式が10日(日本時間11日未明)、スウェーデンの首都ストックホルムで行われる。医学・生理学賞に選ばれた大隅良典・東京工業大栄誉教授(71)の授賞式には基礎科学の重要性を共に訴えてきた、「七人の侍」と呼ばれる研究者や弟子など多くの仲間が列席する。日本人の受賞は昨年の医学・生理学賞、物理学賞に続き3年連続で、米国籍を含め日本人受賞者は25人となる。

 大隅さんは東京大助教授だった昭和63年、酵母で細胞のオートファジー(自食作用)を発見した。平成8年に基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)教授に就く際、研究室に専門外の研究者として大阪大の吉森保特別教授(58)を助教授に招いた。

 酵母だけでは研究が広がらないと考え、動物細胞を使った解明を託したからだ。翌9年には内科医だった東京大の水島昇教授(50)も大隅さんの論文を読んで加わった。研究室発足から2年後、3人の共同研究論文は、英科学誌ネイチャーで発表された。

 吉森さんは、動物細胞でオートファジー関連の遺伝子を特定、オートファジーで病原体が分解されることも解明した。水島さんもマウスを使い、オートファジーが出生直後の生命維持に欠かせないことを16年に発見。水島さんは「経験のない医者を受け入れて競争もなく自由にやらせてもらった」と振り返った。

 大隅さんは、この体験を「黄金時代の研究」と評する。強い好奇心で多様な考えを取り入れたことが、新研究分野を開拓し、ノーベル賞につながった。「吉森さんと水島君がこの分野(動物細胞研究)をリードしてくれた。酵母の研究だけしていたら、こんなに早く研究が進展しなかった」

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