ボブ・ディランにノーベル賞 文学賞、毎年逃しても…“春樹フィーバー”が起きるわけ

 日本人で22年ぶり3人目となるノーベル文学賞受賞はならなかった村上春樹さん(67)。「ノルウェイの森」「1Q84」などのベストセラー小説で知られ、作品が約50もの言語に翻訳され、世界中に熱心な読者を持つ。国際的な文学賞の受賞歴も華やかだ。毎年10月になると巷をにぎわす“ノーベル賞狂騒曲”の背景には、現代の日本人作家の中では群を抜く村上さんの人気と実績がある。

■海外でベストセラー

 村上さんという作家を語る上でまず外せないのは、世界的な人気の高さだ。

 村上さんの作品は1980年代に東アジアや英語圏に紹介され、90年代以降に欧州各国をはじめとする世界各地へと急速に浸透していった。代理人の事務所によると、現在までに約50もの言語に翻訳されている。村上作品の特徴である翻訳調の乾いた文体と地域性を意識させない風俗や設定も翻訳出版に適している、との指摘もある。

 日本に“ハルキスト”と呼ばれる熱心な読者がいるように、台湾では作品名を借りたカフェが流行し、中国では村上作品に影響を受けた“村上チルドレン”なる作家たちも出現。しゃれた小道具や風俗、気の利いた会話に彩られた村上作品は都市生活のマニュアルとしても読まれ、若い世代の生活様式に影響を与えるほどの力を持つ。実際、中国では「ノルウェイの森」などは作品全体で100万部を超えるベストセラーに。ロシアでも長編の多くが売上の上位に入るという。

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