高浜原発再稼働で増加する「核のごみ」問題先送り

 日本の原子力発電では、使い終えた燃料からウランやプルトニウムを取り出し、再び燃料として使う「核燃料サイクル」の方向性が打ち出されている。再利用しきれずに残った高レベル放射性廃棄物(核のごみ)はガラス固化して地下300メートル以上の深い地層に埋設処分する方針だが、どこを処分地とするのかは決まっていない。今後も原子力発電を継続していくためには、「核のごみ問題」解決への道筋をつけることが大きな課題となっている。

 高浜3、4号機(計174万キロワット)が1年間稼働すると、平均約40トンの使用済み燃料が出る計算だ。また、再処理工場や全国の原発の燃料プールでは、計約1万7千トンの使用済み燃料がたまっている。だが使用済み燃料の保管場所はすでに7割が埋まっており、現状のまま推移すれば、高浜原発では7~8年後に容量オーバーとなる懸念がある。

 政府は昨年5月、国主導で最終処分の有望地を示す方向性を打ち出した。だが、もともと自治体からの申し出制で選定しようとしたがうまくいかずに方針転換した経緯があり、事態打開の糸口は見えない。地震国の日本では、放射性物質の半減期が約2万4千年と長期にわたるプルトニウムなどを地層処分することへの抵抗感が根強く、難問として立ちはだかる。

 経済産業省は1月26日、沿岸の海底下に処分する技術的課題を検討するための有識者研究会の初会合を開いた。沿岸部は廃棄物を海上輸送する観点から処分場の建設に適しており、また海底下は公有地のため土地利用の制約が小さい利点もあることから実現性を精査する。

 最終処分場の候補地選定に、国が責任を果たすべきだとの声は強い。東京都市大大学院の高木直行教授は「原発が誕生してまだ50年なので、一般の人が納得するには時間がかかるはずだ。ただ、国民も利便性を追求した対価として向き合うべき課題があることは理解しなければならない」と話している。

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