「もうあかん」掲げ続け20年超 大阪の名物靴店、のれん下ろす 体調崩し…

 「もうあかん やめます!」と閉店を予告する垂れ幕を20年以上も掲げ、営業を続けてきた大阪市の名物靴店が2月20日、本当に閉店することになった。店主の竹部浅夫さん(74)が体調を崩し、店頭に立ち続けることが難しくなったためだ。

 閉店するのは「靴のオットー」。大阪駅から1キロほど離れた大阪・西天満のオフィス街で、交差点に面した床面積30平方メートル足らずの店は、靴小売店から独立した竹部さんが昭和52年に開いた。当時としては珍しいディスカウント方式を採用。靴底の厚みで身長が高く見えるシークレットシューズを扱って人気になった。

 しかし、バブルがはじけ客足は激減。平成5年ごろ「もうあかん。どないしようと、不安でいっぱいになった」とき、ふと「ありのままの思いを、垂れ幕にしてみたら」と思いついた。早速、市内の看板業者に「もうあかん やめます!」と大書した垂れ幕を発注し、店先に掲げた。

 「暗い世の中だったにもかかわらず、子供も大人も、看板を見て指差しながら笑っていた。人生って面白い、と思った」

 「格差社会を是正せよ。身長の格差は当店で。人は見た目が9割だから!」「横綱も、この店も、土俵際。出直しセール」。そんな人を食った垂れ幕も一緒に掲げ、大阪的でユニークな店としてメディアにも取り上げられた。

 しかし、竹部さんの体調が26年冬ごろから悪化し、昨年11月末に閉店を決意した。現在は閉店を惜しむ知人ら有志が、主人に代わって店番をしている。

 閉店後は、現在休止しているインターネット販売を再開させるという竹部さん。「店は僕の第二の故郷だった。みんな愛してくれて本当にありがとう」と話している。(芦田彩)

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