原発最新事情 通学中の被曝は気にしなくてもいい? 保護者の意識とズレ

 通学時や屋外での部活動中の被曝は、それほど気にしなくてもよい-。そんな結果が平成27年11月、東京電力福島第1原発から10~40キロの範囲にある福島県南相馬市の子供たちを調査した研究チームの論文で明らかになった。保護者の多くが「通学中の被曝リスクが最も高い」と認識し、ほとんどが車で送迎しているという現実とは「対照的」な結果で、屋外での放射線被曝について、必要以上に懸念されている状況が浮き彫りとなった。(原子力取材班)

■長時間いる場所が重要

 論文は英国インペリアル・カレッジ・ロンドン公衆衛生大学院の野村周平氏らのチームが発表し、日本放射線影響学会の機関誌オンライン版に11月25日に掲載された。

 調査は、原発事故から約1年半が経過した平成24年9~11月、南相馬市内の小中高校の児童と生徒520人を対象に実施した。個人線量計で測定した外部被曝量と、通学や部活動など屋外での活動時間との関係を調べた。また、児童らの生活環境である自宅前や、学校の校庭の空間線量も合わせて解析した。

 調査結果によると、個人線量計で測定した3カ月間の外部被曝線量は平均0・34ミリシーベルトで、このうち0・14ミリシーベルトは自然にもともとある放射線による被曝だった。

 児童らの生活様式との関係では、自宅前の空間線量が毎時0・1マイクロシーベルト上がると、被曝量が1・1倍に上昇し、校庭の空間線量が毎時0・01マイクロシーベルト上がると1・02倍に上昇するなど、家や学校の空間線量と被曝量に一定の関連が見られた。

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