ふるさと納税日本一に“王手” 山形県が人気のヒミツは?!

 天童市の勢いは現在も続いており、12月半ばには20億円を超えた。前年度の総額が7億8千万円だから9カ月で前年度1年間の2・5倍を超えた計算だ。

 中でも、希望者全員に付けている将棋駒ストラップが予想を超える人気で、「生産が追い付かず、8カ月待ちの状態」(市長公室)だという。

 当然、他自治体の天童市に向けるまなざしも熱い。昨年までは県内の他市町村が多かった問い合わせが、今年は沖縄など九州をはじめ遠方の市町村から目立ち始めた。寄付者や自治体の問い合わせ、取材など電話は「鳴りっぱなし」(市長公室)の状態だ。

 ふるさと納税は税収増だけではなく、地場産業へのプラス効果も出始めている。駒や将棋盤など関連商品の売上高は一昨年の1億2千万円から今年は2億円を突破するV字回復ぶり。加えて、国の支援事業による育成講座で今年度の(将棋駒の生産者の)受講生は5人から9人に増えている。

 地場産業振興や自治体の税収増などメリットが多いように見える同制度だが、納税の見返りに高額な特典や商品券、宝くじといった換金性のある特典を提供し制度の趣旨から逸脱していると批判される自治体が全国レベルではみられるのも事実だ。

 総務省による全自治体へのアンケート結果でも37・4%が「自治体のPRが可能となる」と制度を評価する一方、「返礼品送付の競争となっている現状を懸念する」との回答も16・0%あった。

 特典競争が過熱する中、「市のブランドイメージにつながるものに限定している」と“王道”を貫く構えの天童市。ふるさと納税が多様な地場産業をPRする格好の材料となっており、制度本来の趣旨に合致した好例といえる。

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