【デキる人の健康学】糖質オフは加糖飲料の代替にならない!?

 「糖質オフ」や「糖質ゼロ」を売りにしている飲料が出回っている。いずれも飲むと甘いのに、「カロリーがゼロなので太らない」を売りにしている。

 しかし、この糖質オフ飲料には大きな落とし穴がある。英国ケンブリッジ大学の今村博士らの研究グループは、人工甘味料やフルーツジュースは加糖飲料の代替にはならないと警鐘をならす。

 研究チームはこれまでに報告された加糖飲料、人工甘味料入り飲料、フルーツジュースの摂取と2型糖尿病の発症に関連する17件の観察研究の結果を包括的にレビューした。

 17件のコホート研究で計38253人を平均3.4年から平均21年追跡調査したデータをメタ解析した結果、加糖飲料を定期的に飲んでいた人の2型糖尿病のリスクは、飲まない群に比べて飲料一本あたりで18%増加、肥満因子を調整したのちも13%増加することが分かった。

 一方で、人工甘味料入り飲料群では、2型糖尿病の発症危険度が飲料一本あたりで25%増加、肥満因子を調整した後も8%増加することが分かった。

 さらにフルーツジュース群では、2型糖尿病の発症危険度が飲料一本あたりで5%増加、肥満因子を調整した後では7%増加することが分かった。

 研究チームは2型糖尿病を減らすには加糖飲料を減らすことが重要であると主張、更に人工甘味料入り飲料やフルーツジュースでの代替は有益でないだろうと結論した。

 日本では、街頭のあちこちに自動販売機があり様々な飲料が選択できる。糖尿病や肥満が気になる人は加糖飲料をやめて、糖質オフ飲料を選択している人も増えたと思う。

 しかし、日本人は元来、食卓では日本茶を飲む習慣があり日本茶には砂糖を入れる習慣がない。日本人はどちらかというと甘みより苦味のある飲み物が好みなのだろう。日本茶を飲む食文化に戻れば、日本での2型糖尿病の発症増加に歯止めをかけられるかも知れない。

白澤卓二

しらさわ・たくじ 1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大大学院医学研究科博士課程修了、医学博士。1990年より2007年まで東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダー。2007年より2015年まで順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。2015年より白澤抗加齢医学研究所所長。日本テレビ系「世界一受けたい授業」など多数の番組に出演中。著書は「100歳までボケない101の方法」など300冊を超える。

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