【デキる人の健康学】糖尿病のコントロールは朝食次第!?

 古い英国の言い回しに、太らないためには「朝は王様のようにたべ、昼は女王様のように食べ、夜は貧民のように食べよ」とあるが、この諺は糖尿病患者の血糖コントロールにも有効かも知れないことが最近の研究で分かった。

 イスラエルのテルアビブ大学のダニエラ・ジャクボビッチ博士とスウェーデンのランド大学のボー・アレン博士らの研究グループは罹患期間10年未満の2型糖尿病患者18名を2群にわけ、一方の群には高カロリー朝食(740Kcal)、通常カロリー昼食(603Kcal)と低カロリー夕食(205Kcal)を1週間摂取、他方の群には低カロリー朝食(205Kcal)、通常カロリー昼食(603Kcal)と高カロリー夕食(740Kcal)を1週間摂取してもらい、翌日(8日目)に朝食前後、昼食前後、夕食前後の血糖とインスリン分泌を調べた。

 その結果、朝食が高カロリーで夕食が低カロリーだった群の糖尿病患者は、朝食が低カロリーで夕食が高カロリーだった糖尿病患者にくらべて食後血糖値が平均20%低く、インスリンの分泌が平均20%高いことが分かった。高カロリー朝食には、牛乳、ツナ、グラノーラバー、スクランブルエッグ、ヨーグルト、シリアルを摂取、一方、低カロリー朝食には七面鳥胸肉のスライスとモッツアレラチーズ、サラダ、コーヒーを摂取した。

 今回の研究で朝食に高カロリーを摂取したほうが、インスリンの分泌が良く血糖のコントロールも良くなることが分かった。食生活のパターンがインスリンの効きに与える影響に関して、午前中は体内時計の影響でインスリンの分泌が亢進、肝臓でのインスリン分解が低下、筋肉でのグルコース取り込みが促進する可能性をジャクボビッチ博士は指摘する。朝食と午前中の代謝制御が糖尿病のコントロールの鍵を握っているようだ。

白澤卓二

しらさわ・たくじ 1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大大学院医学研究科博士課程修了、医学博士。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て2007年より順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。日本テレビ系「世界一受けたい授業」など多数の番組に出演中。著書は「100歳までボケない101の方法」など100冊を超える。

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