「子育てのために会社、辞めます」“ゆるキャリ”志向のイクメン 在宅起業の「メリット」と「落とし穴」

 【トレンド日本】

 子育てを行う男性「イクメン」になるために会社を辞めて、在宅で起業する。家族と一緒にいる時間が長くなり、妻子を守ることができる…。そんな思いをかなえた「イクメン起業家」や、それに憧れる人、そして、そのノウハウを伝授する人がいる。「生涯一社」といった固定観念も日本にはまだ根強くあるが、会社での出世や終身雇用にこだわらず、家族を含めた人生のキャリアを緩やかに積んでいこうという、“ゆるキャリ”志向のイクメン男性が目立ち始めている。(日野稚子)

■体が無理、家族の病…それぞれの理由

 東京に住む立野肇さん(仮名、30)は、広告系コンサルタント会社に約8年前に入社。企業のホームページ制作の仕事を担当した。4年後の夏、同い年の女性と結婚。その翌年、子供を持つ将来を見越して退職した。間もなく、経験を生かしてネット上のコピーライターとして自宅で起業。今年1月に長女が生まれた。

 「娘はかわいいし、育児は楽しいですね。僕の担当は夜の寝かしつけで、夜泣きも僕が対応しています。昼間に仮眠も取れるので、自宅で起業したのは正解でした」

 会社員時代は、「朝10時から終電まで仕事。3カ月間、休みなしで働くのは当たり前で、有休消化なんてできる環境じゃなかった」。周囲の目も気になり、待遇改善など言い出せなかったという。

 こんな働き方に音を上げたのは、立野さんの体だった。入社5年目に入った頃、ほぼ2週間に1度、原因不明の40度の高熱を出すようになった。「ちょうどその数カ月前に結婚したのですが、ほとんど家にいないのは妻に心苦しかった。体調の維持管理も難しくなり、親しい知人に(会社を)辞めたいと相談したら、『独立したら仕事を出します』と数社から言われ、踏ん切りが付きました」。妻にそんな思いを打ち明けると、「このままだと過労死するんじゃないかと心配していた」と喜んだという。

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