【デキる人の健康学】ココナッツカレーがオススメ ウコンで脳幹細胞刺激:イザ!

2015.2.25 11:30

【デキる人の健康学】ココナッツカレーがオススメ ウコンで脳幹細胞刺激

 最近、アルツハイマー病の患者さんにココナッツカレーを勧めているが、ココナッツオイルに認知症の改善効果があることが報告され、一方でカレー粉に使われているウコンにはアルツハイマー病の予防効果のあるクルクミンが含まれているためだ。しかし、アルツハイマー病の患者さんに積極的にカレーを勧める理由がもう一つ増えたようだ。

 ドイツのジューリッヒ大学の神経科学研究所のホエルグ・フックレンブロイヒ博士らの研究チームはウコンに含まれるもう一つの活性成分である芳香性ターメロンの奇妙な作用に注目した。

 芳香性ターメロンはいくつかのがん細胞に対して細胞の増殖を抑制する作用が報告されていたのに、神経幹細胞と呼ばれる神経再生で重要な役割を果たす細胞に対しては逆に分裂を促し神経細胞を増やす作用があることに着目した。

 アルツハイマー病や脳卒中などの神経疾患では、神経細胞が障害された結果、認知機能の低下や運動麻痺、失語などの症状が出現する。しかし、もし神経幹細胞が新たな神経細胞を再生することができれば、認知症などの神経疾患の治療や予防は大きく前進するだろう。

 研究チームが神経幹細胞を試験管内で培養して芳香性ターメロンを添加すると最大80%の神経幹細胞が分裂・増殖を開始した。次に研究チームはラットに芳香性ターメロンを注射してその作用を検証した。

 PETスキャンでラット脳の増殖細胞を検出したところ、神経幹細胞が存在する脳室周囲や海馬の容量が増加していた。海馬は記憶を司る部位でアルツハイマー病では最も神経障害が強く観察される部位。

 もし、ウコンに含まれる芳香性ターメロンが神経幹細胞を分裂・増殖させることが可能であれば、食事療法によりアルツハイマー病の病状を緩和したり予防したりすることが可能かもしれない。

白澤卓二

しらさわ・たくじ 1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大大学院医学研究科博士課程修了、医学博士。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て2007年より順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。日本テレビ系「世界一受けたい授業」など多数の番組に出演中。著書は「100歳までボケない101の方法」など100冊を超える。

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