「正直者にバカ」みさせたJRの“ド素人警備” 群衆イライラ、響き渡る怒号

【日本の議論】

 昨年12月20日のJR東京駅開業100周年を記念したIC乗車券Suica(スイカ)の販売をめぐり、購入希望者が窓口に殺到し打ち切りとなった騒動。その後、記念スイカの増刷方針が決まり、買えなかった人々の怒りは沈静化に向かったが、騒動の背景には過去のイベントでの“成功体験”に基づくJR東日本の前例踏襲の姿勢が浮かぶ。群集心理に詳しい専門家は「負傷者が出なかったのは不幸中の幸い」と指摘し、一歩間違えば大惨事につながる雑踏警備への心構えの甘さを指弾する。(花房壮)

購入希望者が殺到した東京駅開業100周年記念Suica(スイカ)のデザイン。発売前からインターネット上で話題になっていた(JR東日本提供)

購入希望者が殺到した東京駅開業100周年記念Suica(スイカ)のデザイン。発売前からインターネット上で話題になっていた(JR東日本提供)

 想定は最大5千人…前例踏襲で整理券も配らず、会場整理は制御不能

 レンガ色がトレードマークの東京駅丸の内駅舎(東京都千代田区)。新年を迎えた同駅南口周辺は外国人観光客らが行き交うのんびりしたムードが漂うが、約1カ月前の昨年12月20日は殺気だった空気が充満していた。

 「混乱の原因は、想定以上のお客さまが来られたことだった」。開業100周年当日に起きた記念スイカの販売打ち切り問題について、JR東の広報担当者はこう釈明した。

 同社は同日午前8時から丸の内南口の特設窓口で1人3枚まで、計1万5千枚を販売する予定だった。来場者数は購入枚数から逆算するなどして5千人程度と見込んでいたという。

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