冬の寒さが引き上げる「脳梗塞リスク」 死や重い後遺症…

 冬の寒さにより血圧が上昇、血管が収縮することでリスクが高まるのが脳梗塞だ。脳梗塞を含む脳卒中は日本人の死因第4位で、命を取り留めてもまひや言語障害など重い後遺症に苦しむ人も多い。その主な要因はメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)だ。専門家は生活習慣への注意と簡便な検査を利用しての脳梗塞予防を呼びかけている。(山本雅人)

 ◆長い治療期間

 「生命の危機を脱しリハビリまでこぎ着けても完全に治る人は少なく、不自由な生活をその後何十年も続けている人をたくさん見てきた」。血管内治療の権威で東邦大学医療センター佐倉病院循環器科の東丸(とまる)貴信教授は、脳梗塞での救急搬送の実情をこう語る。

 脳卒中には、脳の血管が破れ出血する脳出血と、血管が詰まる脳梗塞がある。脳出血が減少する一方、動脈硬化を主原因とした脳梗塞は激増している。「脳卒中データバンク2009」などによると、脳卒中のうち75%が脳梗塞となっている。

 脳梗塞の恐怖は、3時間以内に治療に着手しないと死亡や後遺症のリスクが高まることだ。地方など医療環境が整っていないところでは、時間内に治療に至らないこともあるのが実態だ。入院日数は平均93日と長いうえ、退院後も長期のリハビリが続く。また、高額な医療費が家族にとっても大きな負担になっている。

 ◆頸動脈エコー推奨

 メタボで内臓脂肪が蓄積すると、脳梗塞につながる頸(けい)動脈の硬化が進行しやすくなるとの報告がある。東丸教授は予防として「油脂分の多い揚げ物を食べる回数を減らし、エスカレーターやエレベーターを使わない生活を心がけてほしい」と話す。

 こうした予防に取り組むほか、自分の血管の状態を知ることも大切だ。頸動脈の血管壁の厚さや詰まり具合は、頸動脈エコー検査で調べることができる。

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