「100円ライター」市場縮小、背景は「使いづらい」…火遊び防止機能から3年 :イザ!

2014.9.23 14:30

「100円ライター」市場縮小、背景は「使いづらい」…火遊び防止機能から3年 

 「100円ライター」と呼ばれる使い捨てライター。現在は百数十円程度とやや値上がりしているものの、安さや手軽さから愛煙家に受けてきた。ところが、その使い捨てライターの市場が縮小している。背景には、ここ数十年に及ぶ禁煙の流れがあるが、それだけではない。安全性確保のために、平成23年9月、子供が簡単に着火できないようチャイルド・レジスタンス(CR)機能をつけることが義務づけられた。着火スイッチをかたくするなどしたが、女性や高齢者から「使いづらい」との声があがるようになったのだ。今月で規制から3年。業界団体は今後についても「売り上げ減少になる」と予想。たばことともにライター業界も厳しい時代を迎えている。(張英壽)

 ■5年で20%減

 「使い捨てライターは自分のだけで家に10個くらいあるけど、探したらもっとたくさんあると思う。捨てにくいからたまってしまう」

 使い捨てライターは家に何個ぐらいあるのか。大阪ミナミの喫煙場所で聞くと、大阪府河内長野市の男子大学院生(24)はこう答えた。ほかの人からも、「10個くらい」「5個くらい」など、複数個あるという回答が多かった。

 ライターなどの約60業者でつくる業界団体「日本喫煙具協会」(東京)によると、ライターの中で使い捨てライターが占める割合はほぼ9割で、平成25年の市場規模は約4億4千万個。今では輸入がすべてで、メーカーが輸入生産している。日本の人口約1億3千万人と比較すると、すべての人に3個以上行き渡る計算になる。膨大な数だ。しかも、「消費者の手元にある使い捨てライターはもっと多いのではないか」(同協会幹部)といい、日本国内にはさらに多くのライターが出回っているとみられる。たばこを吸う人なら、自宅を探せば、どこに置いたか忘れてしまった使い捨てライターがいくつも出てくることがある。

 しかし、これだけ大量にあっても市場は縮小傾向だ。CR機能の規制前の平成20年の市場規模は約5億7千万個あった。その当時と比べると20%以上減少していることになる。規制が始まった23年には25年より約1千万個少ない約4億3千万個まで落ち込んだ。

 CR機能とは、子供がいたずらなどでライターを触り火災を起こす危険性を回避するために、平成23年9月27日から国が設けた規制だ。この規制を満たすと、「PSCマーク」があたえられる。マークがなければ、販売できない。

 それまで使い捨てライターといえば、簡単に着火できるものだったが、規制で着火スイッチを重くしたり、スライド機能などで着火までの操作を増やしたりするタイプになった。

 協会によると、この規制で、高齢者や女性から「使いにくい」との声が出るようになった。業界関係者の一人は、CR機能の使い捨てライターは「若い女性は何とか使えるが、年配の人にはかなりきつい」と指摘する。

 協会は、「消費者も規制の意義を理解するようになった」とし、最近は使いにくいなどの問い合わせもほとんどないというが、それでも使いにくくなったのは事実。担当者は「メーカー側からすれば、消費者の購入が減少し、売り上げの減少につながる」とみている。