人気者「ラッコ」が姿を消す日 取引規制、繁殖困難…水族館に危機感:イザ!

2014.8.27 08:00

人気者「ラッコ」が姿を消す日 取引規制、繁殖困難…水族館に危機感

 愛らしい姿が人気で、かつては一大ブームを巻き起こした「ラッコ」が近い将来、国内の水族館から姿を消すかもしれない。絶滅危惧種に指定されているため捕獲が難しい一方、ワシントン条約の規制などで輸入が減り、国内の水族館の飼育数も次第に減少。海遊館(大阪市港区)でも残るは高齢のラッコ1頭のみとなった。水族館関係者は「このままでは姿を見ることができなくなるかも…」と危機感を募らせている。(上岡由美)

■一躍人気者に

 ラッコが日本の水族館にやってきたのは昭和57年と比較的最近で、伊豆・三津シーパラダイス(静岡県沼津市)が初めて。

 58年には鳥羽水族館(三重県鳥羽市)に米アラスカから4頭が来日。59年2月に国内初のラッコの赤ちゃん「チャチャ」が誕生すると、まるで縫いぐるみのような愛らしい姿が人気を集め、テレビ番組などでも繰り返し紹介された。

 その姿を一目見ようと、館には1カ月だけで30万人が殺到。10~15分かかって入館しても、水槽の前で満足に立ち止まれない状態だったという。

 それまでの入館者数は年間80万人ほどだったが、一気に200万人に跳ね上がった。

 この空前の“ラッコブーム”を機に、国内で飼育する水族館が増加。日本動物園水族館協会(東京)によると、ピーク時の平成8年には全国28施設で計118頭が飼育されていた。

 しかし、その後は減少傾向に転じ、すでにラッコが姿を消した水族館も。現在の飼育数は10施設の計16頭。ラッコの消えた水族館では、来館者の子供たちから「ラッコはどうしたの?」という問い合わせも寄せられているという。

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