道徳授業の果たす役割 「特攻隊員の遺書」に静まりかえった教室…美化一切なく:イザ!

2014.7.31 08:00

道徳授業の果たす役割 「特攻隊員の遺書」に静まりかえった教室…美化一切なく

■荒れた学校再生

 いじめや校内暴力など小中学生らの問題行動が深刻化する中、道徳教育の果たす役割に、注目が高まっている。近年、荒れた学校が再生するケースが各地で報告されているのだ。

 東京都内のある公立中学校は約20年前、対教師暴力やいじめなどが横行する都内有数の生徒指導困難校だった。しかし道徳教育を強化した結果、問題行動は目に見えて減少、旧文部省の道徳教育推進校に指定されるほど改善した。指導した男性教諭(55)は「年々生徒が落ち着いていった」と成果を振り返る。

 京都のある公立中学校では問題行動の減少と同時に学力も上がった。担当した元校長(70)によると、14年度から道徳授業を本格実施したところ、それまで年間30件近くあった校内暴力などが急減し、16年度には3件に。地区内6校中最低レベルだった共通テストの成績も上向き、21年度にはトップに立った。

 ■無償の愛

 「みんなが素子さんなら、亡くなったお父さんにどんな手紙を書きますか」

 特攻隊員の遺書を使った授業で、川村教諭は生徒に、こう問いかけた。

 自分を生んでくれた親に感謝することは、道徳の基本だ。親の子に対する、無償の愛に気付かせるため、教師はあえて教材に特攻隊員の遺書を選んだ。

 その効果はあったようだ。授業の冒頭、「親はウザい」「口うるさい」と発言していた生徒たちからは、「家族愛ってすごいんだなと感じた」「強い思いで(自分を)育ててくれていることが分かった」といった感想があがった。