キムチの“二の舞い”恐れ…文化庁、世界遺産「和食」の商業利用ダメ

 国が過敏とも言える反応を示すのは、和食と同時期に遺産登録された韓国の「キムジャン文化」の例があるからだ。

 キムジャン文化はキムチを漬ける風習を指す。事前審査を行うユネスコの補助機関が「登録」を勧告後、韓国政府は一時「キムチ」自体が登録されるかのように発表。これに対し、ユネスコが「特定の食べ物の登録と認識されて商業的に利用され、無形文化遺産登録制度の本質をゆがめることのないようにしてほしい」と、“警告”したのだ。

 日本の文化庁の担当者は「まさにこのような事態を懸念している」という。登録前の変更ならまだしも、登録後に和食ビジネスが横行すれば、最悪の場合、登録取り消しにつながりかねないというわけだ。

 無形文化遺産の前身「人類の口承及び無形遺産の傑作の宣言」は2001年に始まったが、実は、食文化が登録されたのは、無形文化遺産と名を変えたあとの2010年の「フランスの美食術」が初めて。料理分野の登録が遅れた理由は明確にはされていないが、食文化はほかの文化と比べ、より商業化につながりやすいと指摘する声もある。

 実際、フランスの美食術の登録時も、商業目的での乱用を防ぐようユネスコから指摘があった。

 文化庁の担当者は「安易な商業化で登録取り消しとなり、業界のこれまでの努力を無にするわけにはいかない。例外はつくらないよう対応しようと考えている」と強調している。

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