世界初のiPS臨床研究へ 治療に使えると直感「私がやるんだ」:イザ!

2013.7.29 08:10

世界初のiPS臨床研究へ 治療に使えると直感「私がやるんだ」

 【きょうの人】高橋政代さん(52)理研プロジェクトリーダー

 「承認は通過点だが、実際に始まることに責任の重さを感じる」

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)で世界初の臨床研究に取り組む。加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)を対象に国が正式に実施を承認し、スタートまで秒読み段階に入った。

 再生医療以外に根本的な治療法がない難病。約10年前にES細胞(胚性幹細胞)を使って研究を始めたが、拒絶反応の問題が立ちはだかった。山中伸弥京都大教授がiPS細胞を開発したと聞いた瞬間、治療に使えると直感し「私がやるんだ」と心に決めた。

 一刻も早く患者に治療を届けるため、常に技術進歩の先を読んで研究計画を立ててきた。自身を「物事が前に進んでいないと気が済まない性格」と話す。

 「ゴールに向かって走り込んでいる人にパスは来る。手前で待っていても来ない。だから最初にできるようになったのでしょうね」

 動物実験を進めていたとき、新聞で研究を知ったお年寄りが記事を握りしめて駆け込んできた。まだ治療できないと伝えると、目の前で泣き崩れた。

 「ものすごくつらかった。患者の気持ちは絶対に忘れたくない」。研究だけでなく、眼科医として週2回の診療を続ける。

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