「歩きスマホ」危険なワケ 5人に1人が事故やけが経験:イザ!

2014.1.14 17:00

「歩きスマホ」危険なワケ 5人に1人が事故やけが経験

 スマートフォンを歩きながら操作すると他の人にぶつかるなど社会問題化している「歩きスマホ」。そのメカニズムを専門家に聞いた。

 スマートフォンの普及にともない、画面を見ながら歩く「歩きスマホ」の危険性が叫ばれるようになった。周囲への注意が散漫になり、とりわけお年寄りや子供への気づきが遅れがちになるという。そのメカニズムについて、首都大学東京の樋口貴広准教授(認知科学)に聞いた。(戸谷真美)

 「画面を見ながらの歩行は、『非注意性盲(もう)』と呼ばれる状態に陥りやすい」。樋口さんが指摘する非注意性盲とは、「見えているが認識できない」状態。脳が処理できる情報量には限界があり、一つのことに意識を向けると、それ以外の知覚情報に鈍感になるために起きる。

 樋口さんの実験では、進路を妨げるようにスライドするドアを前方に設置した場合、通常の歩行であれば遅くとも1・5メートル程度手前でドアの動きに気づくが、ヘッドホンで音楽を聴きながらスマホの画面を見ていた場合は、ドアの直前まで気づかなかった。「大人の歩幅は通常70~80センチなので、本当にギリギリ手前まで気づかない状態。視野に入っていても、意識に上らないからです」

 さらに、視野の中心部以外の周辺視野は、ゆっくりな動きほど気づきにくい。大人の場合、スマホを持つ手の高さより下にいる子供や、車いすを使う人にも、ぶつかる直前まで気づかない可能性が高いという。

 樋口さんは「お年寄りや障害者といった、社会的な弱者に非常に危険な思いをさせていることに気づいてほしい」と話し、「歩きスマホをしやすいのは行き慣れている場所。最寄りの駅や、通勤・通学路こそ特に注意が必要です」とアドバイスしている。

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