台風19号 高水温で発達「強大」台風、温暖化で確率上昇も

 今回の台風19号は、海面水温が比較的高い海域を進んだことにより勢力が急激に増す「急速強化」と呼ばれる現象が起き、一時「スーパー台風」と呼ばれる勢力となった。専門家は「地球温暖化による海水温の上昇が続けば、同規模かそれ以上の勢力の台風が発生する確率は高まり、日本列島を襲う可能性がある」と指摘する。

 気象庁などによると、台風19号は6日、本州から南東約1800キロの南鳥島近海で発生。7日から8日にかけて、中心気圧が915ヘクトパスカルまで急降下し、24時間で急激に発達する「急速強化」が起きたと考えられる。一時は、米国が最も強いクラスに分類する1分間の平均最大風速が秒速65メートル以上の「スーパー台風」と同規模の勢力となった。

 台風は、海水面の温度が高いと水蒸気の供給を受けて発達する。通常は北上して海水温が下がると勢力は衰えるが、今回は日本列島南岸に至るまでの水温が平年より1、2度高い27~28度だったため、勢力を維持したとみられる。

 東大大気海洋研究所の新野宏名誉教授(海洋大気力学)は、「発生周辺海域の海水温が30度以上と高かったために急速に大型の猛烈な台風に発達した」と説明。「台風が大型で比較的ゆっくりとしたスピードで北上したことも、記録的な大雨となった要因の一つ」と指摘する。

 国立環境研究所地球環境研究センターの江守正多(せいた)・副センター長も「個々の台風の発生や進路は不規則で、傾向を見いだすのは難しい」とした上で、「一般的に海水温が1度上がれば、その分だけ台風の勢力は強くなる」と話す。

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書では、地球温暖化が今のペースで続くと、2040年前後に世界の平均気温が18~19世紀の産業革命前より1・5度上昇する恐れがあるとされる。江守氏は「温暖化が進めば、今回と同等、あるいはそれ以上の勢力の台風が日本にも訪れる確率が上昇することは明らか。温室効果ガスの削減など、温暖化を止めるということを真剣に考える1つの契機にしなくてはならない」と警鐘を鳴らす。

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