台風15号1カ月 千葉・市原ゴルフ練習場の鉄柱倒壊 いまだに手つかず

 台風15号の影響で、千葉県市原市のゴルフ練習場「市原ゴルフガーデン」の鉄柱が民家に倒れた事故。間もなく台風上陸から1カ月となるが、倒壊した鉄柱はその場に残ったまま。住宅被害を受けた住民らは「鉄柱が重みで沈んできている」と切実な現状を訴え、一刻も早い撤去を望んでいる。

 先月9日午前3時ごろ、同ゴルフ練習場の北西側のネットが強風にあおられ、ネットを支える鉄柱ごと隣接する民家に倒れた。市原市によると民家16戸が損壊し、20代の女性や当時生後3カ月の男児が負傷。住民らは避難生活を余儀なくされた。

 約2週間後の26日、東京都江戸川区の解体業者「フジムラ」が住民を対象に説明会を開いた。同社は無償で鉄柱の撤去を行う方針を示し、住民らに同意書の提出を求めた。

 同社が無償で撤去を申し出たことに、説明会では涙を流して喜ぶ住民もいた。だが、29日に設けた提出期限までに、住民全員の同意書は集まらなかった。

 同意書を提出しなかった住民の男性(65)によると、障壁のひとつになったのは、同社が示した「工事でさらに損害が出た場合、フジムラに賠償を求めない」という条件だという。男性は「それはまったく別の問題。ゴルフ場のオーナーが話し合いの場に出てこないまま決まるのは納得できない」と憤る。同意しなかった別の男性も「あんな大きな鉄柱を動かすのだから、多少壊れるのは仕方ない」としつつも、「無償ということは、何か裏があるんじゃないの」とこぼす。

 住民全員の同意が得られないため、現在も撤去の見通しは立っていない。この1カ月で民家に倒れ込んだ鉄柱は重みでさらに沈み、穴が空いた屋根から雨が降り込んで、畳にカビが生えた家もある。

 住民の松山高宏さん(55)は、反対する住民の声に理解を示しつつも、「他にどこがやってくれるのか。撤去は早いほうがいい」と早急な対応を求めている。

 この解体業者は、近くゴルフ練習場側の弁護士とともに住民に説明会を開き、再度理解を求める方針。今後は、倒壊事故の原因をめぐり、自然災害によるものなのか、ゴルフ場側に瑕疵(かし)があったのかが焦点となる。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ