「揺さぶり」は「虐待」か 神奈川の乳児死亡、傷害罪で父親起訴

 捜査関係者によると、「何度も同じことを答えるくらいなら」と弁護人と相談の上で父親は黙秘に転じていたという。地検支部は傷害罪については立証可能と判断したが、揺さぶり行為と死亡の因果関係についての立証は困難と判断したことなどから、傷害罪で起訴したとみられる。

 虐待否定の声

 一方、関係者らは産経新聞の取材に「虐待行為はなかった」と話す。長男は生後間もないころから、一時的に呼吸が止まる症状が散見された。出産時には胎児の頭を椀(わん)状の吸引装置で吸い付けることで引っ張って出産させる「吸引分娩(ぶんべん)」で誕生したといい、その際の後遺症ではないかとの見方もあったという。

 虐待行為があったとされる日の夕方ごろ、長男の体調が明らかに悪くなったといい、夫婦は病院に電話で相談したが「明日、かかりつけ医に行ってください」と断られた。夜中、長男が突然、聞いたこともないような大声で泣いた直後、長男の呼吸が止まった。「虐待」と捉えられた父親の揺さぶり行為はこのときに起こったとみられる。

 長男は29年3月に退院。その後、子供用の医療設備が整っている病院に近いなどの理由で夫婦は長男と横浜市旭区に引っ越した。子育てについて周囲に相談していたほか、医療知識を持つ知人らがしばしば家を訪問していたという。

 昨年3月、生後1カ月だった長女を揺さぶるなどして重傷を負わせたとして、大阪地裁が母親に有罪判決を言い渡した事件では判決後、弁護士や大学教授でつくるSBSと虐待を直結させる理論の検証を行う「SBS検証プロジェクト」(大阪府)に所属する弁護人が記者会見で「SBS理論への根本的な議論が必要だ」と述べた。

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