ゴーン被告の保釈を東京地裁が却下 勾留長期化へ

 私的投資の損失を日産自動車に付け替えたなどとして会社法の特別背任罪などで起訴された前会長、カルロス・ゴーン被告(64)について、東京地裁は15日、弁護側の保釈請求を却下した。弁護側は決定を不服として地裁に準抗告するとみられるが、ゴーン被告の勾留はさらに長期化する見通しとなった。

 ゴーン被告は平成20年10月、私的な投資で生じた約18億5千万円の評価損を日産に付け替えたほか、損失の信用保証に協力したサウジアラビアの知人の会社に21年6月~24年3月、日産子会社「中東日産」から計1470万ドル(約12億8400万円)を入金させたとして特別背任罪で今月11日に追起訴された。

 また、側近で前代表取締役、グレゴリー・ケリー被告(62)=金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)罪で起訴=と共謀し、27~29年度の役員報酬を約42億円過少に記載したとして同罪で追起訴された。

 報酬過少記載事件をめぐっては特捜部が昨年11月19日に金商法違反容疑で両被告を逮捕、12月10日に22~26年度の報酬を約48億円過少に記載したとして両被告を起訴した。さらに直近3年分の容疑で再逮捕したが、地裁が同月20日に勾留延長請求を却下し、ゴーン被告は翌21日に特別背任容疑で再逮捕され、ケリー被告は同月25日に保釈された。

 11日の追起訴後、弁護側が保釈請求を地裁に提出。地裁から特捜部に意見を求めるなどの手続きを経て、地裁が請求を却下した。証拠隠滅の恐れや海外逃亡の恐れがあることなどが理由とみられる。弁護側は準抗告するとみられ、最終的な判断には一定の時間を要する見通し。

 ゴーン被告は「日産に損害は与えていない」などとしていずれの起訴内容も否認している。特別背任罪などの証拠関係が複雑な事件で被害額が十数億円と多く、かつ被告人が否認している事件では早期の保釈は異例とされる。

 報酬過少記載事件で地裁が12月、両被告について勾留延長請求を却下したため、特別背任罪での起訴後勾留中に地裁が保釈を認める可能性が浮上していた。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ