津波被災の岩手・大槌町旧庁舎、解体に向け、時計とはしご取り外し 

 東日本大震災の津波で当時の町長や職員計28人が犠牲となった岩手県大槌町の旧役場庁舎で15日、本体解体を前に、外壁の掛け時計などの遺物が取り外された。町は被害を後世に伝えるために保管し、今後、活用方法を検討する。

 この日は庁舎正面の時計と、当時職員らが避難に使用したはしごを搬出した。

 町職員だった長女の小笠原裕香さん=当時(26)=を亡くした釜石市の小笠原人志さん(66)は搬出を見届けに訪れ、「当時を検証するのに必要な場所。むなしくて言いようがない」と話した。

 庁舎をめぐっては、解体するか遺構として保存するか、町長選などを通じて、町を二分する議論となってきた。

 震災遺構として保存を求める住民団体「おおづちの未来と命を考える会」は平野公三町長に対し、解体工事差し止めを求める訴えを盛岡地裁に起こしており、判決は17日に言い渡される。ただ、町はこれまでに庁舎解体の方針を変えていない。

 解体工事はアスベスト(石綿)調査がされないなど手続きに不備があり、当初の日程より着手が遅れていた。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ