巧妙化する自動車盗 ロシア人事件終結も対策進む

 兵庫県内などでロシア人窃盗団の男らが電子キーの車を狙って自動車盗を繰り返した事件は、同県警が8県で計171台、約2億5千万円相当の被害を裏付け、6日までに主要な捜査を終えた。盗難防止装置の普及などを背景に、自動車盗の認知件数は全国で減少傾向だが、ロシア人窃盗団と同様、特殊機器でエンジンを起動させるなど手口が巧妙化しており、官民で対策が進んでいる。

 県警によると、窃盗団のメンバーはロシア国籍のエリョーミン・セルゲイ被告(57)=窃盗罪などで公判中=ら男3人。3月に同容疑で逮捕された。

 これまでの調べでは、同被告らは平成23年1月~今年3月、兵庫や宮城など全国8県で電子キーの国産車などを狙い、窓を壊して車内に侵入。計171台を盗むなどしたとされる。

 同被告らは助手席前のパネルを外し、特殊機器で車体の電子データに接続。不正にエンジンを起動させ、「ヤード」と呼ばれる姫路市内の倉庫に盗難車を運び込んでいた。

 警察庁によると、今年1~10月末の全国の自動車盗の認知件数は7375件にとどまり、59年ぶりに年間1万件を下回る見通し。盗難防止装置の普及や防犯意識の向上が背景にあるとみられるが、車の電子データに不正アクセスした事件が目立つなど手口は巧妙化している。

 車の防犯機器専門店「プロテクタ」(愛知県)の上條洋さん(49)によると、10年ほど前から車の電子式防犯システム「イモビライザー」を無効化する犯行が増加した。ハンドル付近のコネクターに特殊機器を差し込み、車体の電子データを改竄(かいざん)してエンジンを動かすという手口だ。

 ただ、防犯対策が進むと、コネクターに接続しなくてもプログラムにアクセスできる「キープログラマー」を悪用する手口が登場。さらに、電子キーの微弱電波を犯人側がリレー形式で転送しロックを解除する「リレーアタック」と呼ばれる手口も確認されており、摘発逃れのいたちごっこが続いている。

 上條さんは「盗難警報機を車内の目立つ場所に設置したり、人の多い場所に車を止めるなど、盗みにくい車と思わせることが大切」と指摘。警察庁も「車の盗難防止にイモビライザーは有効だがそれだけで安心せず、盗難防止に対する意識を持つことが重要だ」と警戒を呼びかけている。

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