大阪北部地震 日本最古の幼稚園舎も被災 重要文化財の愛珠幼稚園 危機乗り越え、明治の姿

 震度6弱を記録した大阪府北部地震。国内最古の幼稚園舎(1901年)として知られる大阪市中央区の市立愛珠幼稚園(国重要文化財)は、戦時中、取り壊し寸前で終戦を迎えた。今回も3月に耐震工事を終えており、瓦が落ちるなどの被害で済み、度重なる危機を乗り越え明治の姿を現在に伝えている。

 市教育委員会などによると愛珠幼稚園は1880年に船場商人が設立。「愛」と刻まれた鬼瓦が特徴的な木造平屋の和風建築だ。大阪市中央区今橋3丁目のオフィス街にあり、園児は66人。

 終戦間際の45年6月には空襲による延焼拡大防止のための「建物疎開」で取り壊しが決まったが、当時の園長が「取り壊しの時期はなるべく遅く」と当局に懇願。8月14日の大阪大空襲では爆風で障子が吹き飛ぶ被害もあったが終戦となり、園舎は残った。

 今回の地震で幼稚園付近は震度4で、大規模な耐震工事を終えていたこともあり、瓦が数枚落ちたりしっくいの壁に十数カ所のひび割れが起こったりしただけだった。井谷正美園長(56)は「木造なので心配したが、無事で良かった」と振り返る。

 市教委文化財保護課の桜井久之主任学芸員は「戦時中も園長らが守ってきた園舎の姿を後世に伝えていく」と話し、損傷した部位を修復したいとしている。

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