組対5課つなげた「薬」と「銃」の“点と線” 全国初摘発の組員同士の拳銃売買の舞台裏

 組対5課によると、人目を避けてやり取りされた袋の中に入れられていたのは、ロシア製とイタリア製の自動装填(そうてん)式拳銃1丁ずつと、米国製の回転弾倉式拳銃。保正被告は、この拳銃3丁と引き換えに男から80万円を受け取ったという。

 「代理人」の男に拳銃の受け取りを指示した“黒幕”は、保正被告と同じ住吉会に所属する暴力団組長の神尾英一被告(63)=同法違反罪などで公判中=だった。

 捜査関係者は「保正被告と神尾被告はかつて親戚(しんせき)関係にあるなど、昔からのヤクザ仲間だった。金策に困っていた保正被告が、所有する拳銃を譲り渡すかわりに神尾被告から金を工面してもらっていたようだ」と内情を明かす。

 23年に暴力団排除条例が全国一斉施行されて以降、組織防衛に走る暴力団からの情報収集が困難になった影響もあり、銃器捜査は困難を極めているとされる。特に暴力団関係者からの銃器の押収量は年々減少の一途をたどり、警察庁の統計によると、26年に104丁だった押収量は、28年には54丁に半減した。

 そうした中、暴力団同士による拳銃売買を摘発したのは快挙といえる。

 捜査幹部は「暴力団は組員同士の結束が固く、取り調べでもなかなか口を割らない。全国的に見ても前例のないことだ」と捜査の意義を語った。

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