高齢者施設の事件、後絶たず 専門家「労働環境改善が必要」

 介護施設などで職員が入所者に危害を加える事件は過去にも起きた。職員による犯行は施設側の想定外で、発覚が遅れたり、捜査が難航したりするケースも多い。職員の犯行が相次ぐ背景には、過酷な勤務や低賃金に伴うストレスなどがあるとされ、専門家は改善の必要性を訴えている。

 川崎市の老人ホームで入所者3人が転落死した事件で、平成28年に殺人容疑で逮捕された元職員の男は、調べに仕事への不満やストレスを吐露。同種の事件では、こうした動機が多い。

 夜勤中に1人で及ぶ犯行や、プライバシーから防犯カメラが設置されていない場所での犯行も多い上、病死・事故死か事件による死かの特定が容易ではないケースもある。川崎市の事件では逮捕までに約1年半かかったほか、「大口病院事件」は未解決のままだ。

 城西国際大福祉総合学部の石田路子教授は「以前よりは事業所側の危機意識も高まり、賃金など労働環境は改善しつつあるが、いまだ人手不足は深刻だ」と指摘。その上で「超高齢社会を迎える中、労働環境が適正だったかなど今回の事件の背景を分析し、問題を国や業界全体で共有すべきだ」と話す。

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