ハンドボール強豪高監督の賞状破りは「指導」?「パワハラ」? 為末大氏に聞くと…

 全国大会での優勝経験もあるハンドボール強豪高校の50代の男性監督が、昨秋に行われた県新人戦で贈呈された2位の賞状を、選手らの面前で破り捨てたことが波紋を呼んでいる。選手に圧力をかけて成長を促す指導はスポーツ界でしばしばみられる手法の一つだが、「体罰」との境界線は曖昧だ。教育現場はどんな変革を求められているのか。(社会部 三宅陽子)

 ■保護者から協会への通報で発覚

 男性監督による賞状破りが発覚したのは、これまでの監督の言動を問題視した選手の保護者の一人が今年2月、日本ハンドボール協会(以下、日本協会)に「体罰やモラルハラスメントがあった」などと通報したことがきっかけだった。

 日本協会は6月、部員への暴力行為を理由に監督を3カ月の指導停止処分としたが、監督は処分を不服として日本スポーツ仲裁機構(JSAA)に申し立てを実施。JSAAは9月、処分について「どの事実を認定し、処分対象としたかが明確になっていない」などと指摘した上で、日本協会の調査手続きに瑕疵(かし)があったとして、監督の処分を取り消すとする「仲裁判断」を出した。

 日本協会、JSAAのいずれも、どこの県かや学校名などは公表していない。

 ■勝利絶対主義を否定する付言

 仲裁判断は「実際に暴力行為があったか」については踏み込まなかったが、注目されたのは最後に示された「付言」だ。

 付言は、監督が体罰や暴力行為による指導をうかがわせる多くの発言をしていたと指摘。さらに、昨秋行われた県の新人戦で2位となってもらった賞状を、選手らの面前で破り捨てるという指導が行われていたことを明らかにし、「力関係の格差や進学・進路への絶大な影響力を背景とした指導、優勝しか価値がないかのような勝利絶対主義の指導は即刻改めるべき」だとする考えを示した。

 一方、監督の代理人弁護士は、付言で指摘された体罰や暴力行為はなかったと主張する。賞状を破った行為は認めたが「十数枚あったうちの1枚を破いたと聞いている。2位ではなく、次の大会で1位を取ろうという思いがあったようだ」と説明。監督は現在、賞状破りについて反省と後悔の言葉を口にしているという。

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